サイコー君のくま父さん

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『神の子』(小説)

『神の子』 その12

4 天使たちが来る この日、俺は研究所に泊まった。千依も研究所に泊まる。茜さんも。 亀になった神は俺が管理していた。今はアクリル製の飼育ケースに入れている。 「……マーラの奴、ちょっとおかしかったな」 もう神の恐怖から脅かされることはなくなった。…

『神の子』 その11

3 告白 久しぶりの再会。もう十六年ぶりになるだろうか。モニター室に千依が飛び込んできた。 「お兄ちゃんっ!」 「千依……」 今、俺は千依に触れている。この感覚、匂い、千依の呼吸音、心臓の鼓動……それらがすべて生きていることの証明だった。千依はずっ…

『神の子』 その10

2 雑賀茜 マーラにとって茜さんは自分の母親だ。 だがマーラは過ちで生まれたような存在。望まれてこの世に生まれたのではない。茜さんは我が子を武器として生んだのだ。 これで三対一。茜さんの姿がはっきり見え始めた。 マーラは幽体の千依を召喚できる。…

『神の子』 その9

第三章 神との再会 1 決行の日 ……気づけばもう三十分も話していた。二人は食事を終え、そろそろ研究に戻ろうとしたところだ。 「俺はもう行くとする。明日もお前は会議に参加だ。忘れるな」 遅刻した本人が言うのはいまいち説得力がないがな。 「あの、プロ…

『神の子』 その8

4 卒業試験「――ファラデーが発見した電磁誘導の法則は任意のグループに沿り、一回り積分した電磁とループをくぐる磁束の変化という、一見すると直接関係なさそうな二つの物理量を符合で結ぶ不思議な法則だ。どんな場合でもちゃんとした数学を用いればファラ…

『神の子』 その7

3 殺し合い ――飛行機から降りてロビーに着くと、見覚えのある女が近づいてきた。 「広造様、お待ちしておりました」 ……あぁ、受付の女か。わざわざ来ることもなかったのに。 「荷物をお運びします」 「父は戻ったのか?」 「はい。研究所で広造様のことをお…

『神の子』 その6

2 三人の師匠 大学に通い始めたのは二十一のときだった。 以前から独学で得た知識は自分が思っていたよるも相当な量で、基礎レベルの授業だととても退屈に感じた。 一番興味があったのは軍事学だった。つまり戦争、軍事力、戦略、戦術、統率、兵器さらに政…

『神の子』 その5

第二章 前に進む 1 鬼となる 中学校。まともに登校できるわけがない。父もそれを理解していた。いくら時が過ぎても心の傷は癒えない。いっそのことぼくもあのとき死んでいたらよかったのかもしれない。 家は父が勤める研究所の近くの新築だ。今はぼく一人だ…

『神の子』 その4

4 神の子 ぼくはあの火の海からなんとか一命を取り留めた。記憶喪失というわけではなかったが、記憶が曖昧だった。 意識が戻ってもしばらくはなにがどうなったのか状況が理解できない。喉は焼かれ、声が出せなかった。体もほとんど動かない。顔を少し動かす…

『神の子』 その3

3 信じられるはずがない 神はとにかく忙しい。世の中には刺激が必要だ。平和ボケした人間たちに災いという刺激を与えよう。それは噴火だったり台風だったり地震だったりする。 欲望を与えたのも神、セックスの快楽を与えるのも神。この世にいたいと思うのは…

『神の子』 その2

2 悪夢の記憶 ――ガチャ。 この日はいつもと違った。ぼくは玄関を開けると見慣れない靴があることに気がついた。この靴は誰のだろう……? 「ただいまー……。千依(ちい)、いるのか?」 「お兄ちゃん。おかえりー」 奥から妹がパタパタとスリッパの音を立てて…

『神の子』 その1

第一章 突然の訪問者 1 復讐のために生きる女 広く平坦な白い地面。そこに十六歳になったマーラが堂々と立っていた。 悠然とした振る舞い。近づけば斬られるような張り詰めた空気が漂っていた。それはマーラの間合いともいえる。 戦闘の素人だってわかる。…