サイコー君のくま父さん

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『大泥棒』(小説)

『大泥棒』 その11

7 再会 ――大きな屋敷。 市長を辞めてからは、わたしはこの広大な土地で暮らすことになった。 建物はもちろん、庭もとてつもなく広い。土地も景色も全てわたしのものだ。 ここらは大貴族や富裕なブルジョワが建てた、広壮な邸宅が建ち並ぶ界隈だ。 朝になる…

『大泥棒』 その10

6 下水道 ――数年後、わたしはセント・ストーンを国一番の権力者へ献上することにより、貴族の一員となった。 その後はわたしの変装術を活かして、次々に人脈と財力を蓄え、みるみるうちに出世していった。 ……そうそう、どこで聞いたか忘れたが、ちょっと小…

『大泥棒』 その9

5 再会 何で奴がここに? 奴は病人のように、ずっと家で養生しているのではなかったのか? それが……この希望に満ち溢れた目。 どういうことが説明がつかん。ルーシーの言ったことはウソだったのか? だが、何のために? 「おい、聞いてんのか? あんた、憲…

『大泥棒』 その8

4 ルーシーの逆襲 わたしは数時間をかけて権力者のリストを作った。 さて、どいつに取り入ってやろうか。 気弱そうな奴がいいかな? 金持ちでもケチではダメだ。それに周りから信頼されていることも必要になる。 だが、しっかりしすぎているのもダメだ。あ…

『大泥棒』 その7

3 騙すこと わたしは走ってから二十分足らずで森から出た。 するとすぐそこには例の男がふらふらと立っていた。 「……男! さっきの男!」 わたしがそう言うと、男は気づいてこちらの方を振り返った。 「お、お坊ちゃん。お帰りなさい」 「じゃあ、わたしは…

『大泥棒』 その6

2 企み わたしは山から下りると、いろいろなところを旅した。 家賃が安い上に二階建ての家があったので借りた。 多少、ぼろかったが、そのぼろさが家の存在を目立たなくしていた。詐欺師にとって目立つことは危険なことだった。 わたしにとってはこの家は条…

『大泥棒』 その5

5 闘いの後 俺は山を下りた。目的を達成したことで足元も軽かった。 そして俺は思い出した。行きは馬車で来た。でも帰りについては考えていなかった。こんな辺境なところに馬車なんかそう来るもんじゃない。 ……困ったな。どうして帰るか。 そんなことを考え…

『大泥棒』 その4

4 ジャックが住む森 ――翌日、俺は宿駅に向かった。 そして辻馬車に乗り、ジャックのいる土地まで移動する。 ……馬車に乗って何時間ぐらいたっただろう。俺は狭い車内で完全に眠ってしまった。 そんな中、馬車の揺れが突然止まった。……その動きの変化で俺は目…

『大泥棒』 その3

3 少年時代 俺は孤児だった。 両親は俺が幼いときにコレラで死んだ。この頃、世界的なコレラの流行がこの国に波及し、人々を恐怖に陥れた。 親戚は何人かいたが誰も俺を引き取ろうとはしなかった。 この国は不衛生だった。コレラの広がった原因はそこにもあ…

『大泥棒』 その2

2 ノースデンという都市 ここまで来れば、あとは徒歩で行くことができる。まずは換金だ。腹も減っていたが、飯はその後。 俺は珍品屋を営んでいるルーシーの元へ訪ねた。 ……店に入るのは二日ぶりぐらいか。 一人でやっているには、やや広い店である。決して…

『大泥棒』 その1

第一章 大泥棒ジェダ 1 職業は泥棒 一八三〇年代、この国もようやく産業革命の時代になった。 王の代わりに力を持ったのは、お金と生産手段を持つブルジョワジー(資本家階級)だった。彼らは多くの貧しい人たちを雇って働かせた。 当時の労働条件はとても…