2016-06-16から1日間の記事一覧
第三章 くま母さん 1 五十一度の秘密 ……あかん。 この暑さ、異常や。 「これはもしかするとあれか……くま母さんか?」 温度計をチェック。 ……あ、やっぱりや。 五十一度。つまり……来い(51)ってことやな。 「クーラー当たりに来たぞぉー!」 「なのォー!…
4 くま父さんの日 しばらく全員がくま父さんの体毛の中で泣いたあと、くま父さんはすっかり前のテンションに戻る。 「――さ、仲直りが済んだらあとはお楽しみの時間やで。ワシ、こういうことになる可能性が半分ぐらいあると思ってな。予め、サプライズ準備し…
3 文化祭 文化祭当日、早朝にボクと高倉さんと担任の先生が、旧校舎の前で立っていた。 「この鍵と鎖を切ったらいいんだな?」 先生は大きなはさみを持っている。それは鉄などの金属を切ったりするものに使うやつだ。 たまに生徒が自転車の鍵をなくしたとき…
4 ルーシーの逆襲 わたしは数時間をかけて権力者のリストを作った。 さて、どいつに取り入ってやろうか。 気弱そうな奴がいいかな? 金持ちでもケチではダメだ。それに周りから信頼されていることも必要になる。 だが、しっかりしすぎているのもダメだ。あ…
第三章 神との再会 1 決行の日 ……気づけばもう三十分も話していた。二人は食事を終え、そろそろ研究に戻ろうとしたところだ。 「俺はもう行くとする。明日もお前は会議に参加だ。忘れるな」 遅刻した本人が言うのはいまいち説得力がないがな。 「あの、プロ…
3 東条文香の策略 翌日、昼休みになって昼食を終える春香と廊下でばったり出会い、二人で部室まで一緒に行くことになった。 「そういや初めてかもな。二人で部室に行くの」 「だよねー。どっちも食事が終わったらまっすぐ部室までダッシュだもん」 「でも今…